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【超初心者向け】星空の撮り方や基本知識を身につけよう!

星空を撮影するために必要なもの

・カメラ(一眼レフカメラorミラーレスカメラ)

どんなカメラでも撮影することは可能です。

・広角のレンズ

広角の方が多くの星を入れて写真を撮影することができます。

・三脚

手持ちだとブレた写真になるので三脚は必須です。基本的にどんな三脚でもOKです。

最低限上記のものがあれば、、星空を撮影することは可能です。

星空を撮影するためにあるとさらに良くなるもの

・超広角で明るいレンズ

明るい(F値が小さい)レンズであればあるほど良いです。

・ソフトフィルター

星を強調するのにあると便利です。

・レリーズ(リモコンシャッター)

シャッターを切る際に振動で写真がブレてしまうのを防ぐのに便利です。

(セルフタイマーを活用したらレリーズを使わなくても可能です。)

・赤道儀

赤道儀があると星をよりきれいに撮影することが可能です。(上級者向け)

※長くなるので今回は赤道儀の使い方などの説明は省きます。

時期によってあれば良いもの

・レンズヒーター

寒い時期、寒暖差によりレンズが曇ることがあります。その曇りをとるものです。

・予備バッテリー

寒い時期、バッテリーの持ちが悪くなるので、予備を持っていた方が安心です。

カメラの基礎知識を知ろう

カメラのセンサーサイズについて

カメラにはレンズから入ってきた光を電気信号に変換するイメージセンサーという部品が入っています。

一眼レフやミラーレスカメラのセンサーサイズには中判サイズ、フルサイズ、APS-C、マイクロフォーサーズが主にあり、基本的にセンサーサイズが大きいほど金額が高いです。

基本的にセンサーサイズが大きいと写真を撮影する際に多くの光を取り込むことができるため、画質が良くなります。

なので、プロはほとんどの方がフルサイズを使用しています。中判サイズはまだフルサイズほど技術が発達していないので、中判サイズはまだ普及していないのが現状です。

センサーサイズごとの画角の関係性

センサーサイズによって同じ焦点距離のレンズでも画角が違います。

センサーサイズ画角

これは、センサーサイズが大きければ大きいほど、レンズまでの距離が変わらないので、同じ焦点距離であれば画角は広くなります

センサーサイズ

星空を撮影するうえでは、画角が広い方が多くの星を写真に入れることができるので、センサーサイズが大きい方が、有利です。

フルサイズのデメリット

フルサイズのいいところばかり言ってきましたが、デメリットもあります。

・金額が高い
・カメラもレンズも大きいand重い

これが、フルサイズのデメリットで、これを許容できる方は迷わず、フルサイズにすることをお勧めします。

レンズの焦点距離のフルサイズ換算

多くの人がいろいろなカメラやレンズを使用しています。例えば”この写真いいな”と思った写真を自分もとってみたいと思ったときに焦点距離を確認してどの画角でとっているんだろうと想像します。

その時に、フルサイズやAPS-C等で同じ焦点距離でも画角が変わってしまうので、一番プロの使用率の高いフルサイズで焦点距離を換算して話をします。

フルサイズ焦点距離50mm
APS-C焦点距離33.3mm
マイクロフォーサーズ焦点距離25mm

上記は同じ画角です。

F値について

F値のFとは”focal”の略で意味としては”焦点の”という意味です。また、日本語で”絞り値”とも言い、同じ意味になります。

F値とは

F値は、小さくなればなるほど”解放”と言われ、多くの光を短時間に取り込むことができるため、シャッタースピードを短くすることができます。

そのため、解放したF値が小さいレンズの方が、シャッタースピードを短くすることができるため、星が流れる前に写真を撮ることが可能です。

ISO感度について

ISO感度とは、簡単にわかりやすく説明すると、イメージセンサーにどれくらいの光を電気信号に変換させるかを決める値です。

例えば、ISO感度100とISO感度6400では64倍もの光を同じイメージセンサーに処理させることになり、ISO感度が大きくなればなるほどイメージセンサーに負荷をかけているようなもので、その結果、写真にノイズが発生してしまいます。

基本的にカメラごとに常用ISO感度というものが設定されています。

“このISO感度までは、何とか撮ることができるよ”というメーカーからの指標です。

これを参考に限度を確認してみてください。

シャッタースピードとは

シャッタースピードとはシャッターが開いて光を取り込んでいる時間のことです。

星は動いています。正確には地球が自転しているため、星が動いているように感じるだけですが、この動きによって、シャッタースピードが遅いと写真に星が写った時に線上になってしまいます。

これを防止するためには、シャッタースピードの限度を知ることが重要です。

500ルールを知ろう

基本的には、500÷焦点距離を基準に考えます。

例えば、焦点距離をフルサイズ換算20mmで撮影する場合、

500 ÷ 20mm = 25s

そのため、25秒よりも早いシャッタースピードで撮れば、星を点で撮ることができます

F値、シャッタースピード、ISO感度の関係性

下記の表で左に行けば行くほど明るい写真になり、右に行けば行くほど暗い写真になります。しかし、明るければいいかというとそういう訳ではありません。画像には明るすぎると白飛びと言われる現象が起きてしまい、暗すぎると黒つぶれと言われる現象が起きてしまい写真では表現できないエリアとなるため、写真を撮る方は基本的に白飛びや黒つぶれを起こさない写真を撮ります。

F値、ISO、SS関係図

例えば、星を撮るときにF値4.0、シャッタースピード30秒、ISO感度6400で良い明るさで写真が撮れているとします。

この時、F値を2.8にすると、シャッタースピードを15秒もしくは、ISO感度を3200にすることが可能です。

これにより、シャッタースピードを30秒から15秒にすることで、星を流れないようにするか、ISO感度を6400から3200にすることでノイズを減らすか選ぶことで、より良い星空の写真を撮ることが可能です。

広角のレンズを選ぼう

基本的に広ければ広いほど良いですが、広くなりすぎると、魚眼レンズ(Fisheye)になってしまうので注意が必要です。

基本的には、フルサイズ換算で30mm以下であればそこそこ良い写真が撮れるのではないかと思います。

明るいレンズを選ぼう

明るいレンズとは解放F値が小さいレンズで、最低でもF値が4以下でないときれいには撮れないと思います。

欲を言うと、F値が2.8以下の方が望ましいです。

しかし、F値が小さくなればなるほど、レンズの値段が上がるので予算と相談が必要です。

撮影する場所を決めよう

星空指数を確認しよう

星をとるうえで、晴天の空じゃないと星が見えないので、行って後悔しないためにも星空指数を確認しましょう。

下記の日本気象協会が毎日地域ごとの星空指数を公表しています。

まず、60%以上の地域が最低条件です。できれば80%以上のほうが望ましいです。

星空指数 – 日本気象協会 tenki.jp

光害マップを確認しよう

星を見るうえで街の光があると空が明るくなって星があまり見えません。そのため、なるべく光がない場所に行く必要があり、これを確認するのに、光害マップを使います。

海外のサイトのため、英語ですが、地図を見るだけですので、問題はないと思います。

緑以上であれば問題ないと思います。(最悪、黄色でも撮ることは可能です。)

光害マップ

月の入り・月の出の時間、月齢を確認しよう

星を撮るうえで重要になってくるのが、月が明るくないかということです。

せっかく光害がない場所に行っても月が明るくて星があまり見えなかったではもったいないので、しっかり確認しましょう。

おすすめは、新月付近か月の出前か、月の入り後です。

各地のこよみ – 国立天文台 天文情報センター 暦計算室

季節ごとの天の川

天の川は季節ごとに見え方が変わってきます。そのため、自分が好きな写真を確認して、その季節に撮影に行くことをおすすめします。

春の天の川

春は横に伸びた天の川を見ることができます。

夏の天の川

夏は縦に伸びた天の川を見ることが可能です。

秋の天の川

秋は春と同様、横に伸びた天の川を見ることができます。

冬の天の川

冬は、天の川の明るい部分の見える時間が少ないので基本的に薄い天の川になります。

実際に星空を撮影しよう

ホワイトバランスを設定しよう

星を撮るうえで、ホワイトバランスは青色側に設定しておくことで、星のイメージを出すことができます。

ケルビン(K)に設定し、2600K〜3400Kあたりを目安に調整していき好みの色味を探してみましょう。ケルビンは小さくなれば青く、大きくなればオレンジになります。

マニュアルモードで撮影しよう

カメラには上部にM・S・A・Pなどのダイアルがついています。

ここをM(マニュアル)モードに合わせることで自分でF値からシャッタースピード、ISO感度を変更することが可能になります。

設定の順番は下記の通りです。

①F値をレンズの一番解放側に設定する。

②500ルールにより設定したシャッタースピードに設定する。

③写真の明るさに応じてISO感度を変更する。

マニュアルフォーカスにて撮影しよう

星を撮影する際は星にオートでピントは合わないので、マニュアルフォーカスにする必要がります。カメラの設定を開き、フォーカスモードを変更する場所でマニュアルフォーカス(MF)に変更します。

一番光っている星でピントを合わせます。星が点になるようにピントリングを回して調整します。(無限から少し戻した位置が大体ピントが合う位置です)

基本的に、一回ピントを合わせたら、触らない限り変更する必要はありません。

ヒストグラムを確認しよう

星を撮影する現場は周りが真っ暗な場所での撮影となるため、目が暗い場所に慣れています。そのため、撮った時、写真がいい明るさで撮れていると思っても帰って家で確認したらすごく暗い写真だったということはよくあります。

そのため、撮った後、ヒストグラムを確認しましょう。カメラには必ずヒストグラムを確認する場所があります。カメラによって表示の仕方は違うので事前に確認しておくことをおすすめします。

下記の左のヒストグラムは左に寄りすぎていて、黒つぶれした写真となっています。右のヒストグラムくらいになるようにISO感度やシャッタースピードを変更しましょう。

番外編①:RAWデータも保存しよう

今後画像をRAW現像する際にRAWデータがないと編集ができないため、今後のために取っておくことをお勧めします。

設定の記録形式の箇所が最初はJPEGのみになっているので、JPEG+RAWに変更するだけで良いです。

RAWは写真の全部のデータを保存するので多少の黒つぶれは修復することが可能です。そのため、暗めにとっていてもあとで明るく調整することが可能です。

番外編②:ソフトフィルターを使用してみよう

ソフトフィルターは、好き嫌いが分かれます。ソフトフィルターを使用することで明るい星が大きく写ります。そのため、星が強調されて、主題がはっきりしやすいです。

しかし、景色と星を同時に写真に入れる際は、景色がぼやけてしまうため、好きになれない人もいます。

↓ソフトフィルターなしの写真です。

↓ソフトフィルターありの写真です。

自分が好きな写真がどちらかによってソフトフィルターの購入を検討してみるのもありだと思います。